★本日の注目 — 中国・ロシア軍が日本のEEZ内で射撃演習 沖ノ鳥島南西/AMD、初のラック型AIシステム「Helios」/トランプ氏、カナダの一部製品に50%の追加関税 「貿易差別」を理由に。
ZAI・テクノロジー4+選外1
0721-M01CNBC7/20★18
AMDがInstinct MI455X・EPYC Venice・Pensandoを統合した初のラックスケールAIシステム「Helios」を正式投入し、Meta・OpenAI・Oracleに続きマイクロソフトがAzureの推論基盤として採用を表明した。
▶ 先読みAMDは2027年からHelios中心にデータセンターAI売上を数百億ドル規模へ引き上げる計画で、推論領域からエヌビディアの独占が崩れ始める。AI半導体の投資テーマが「学習」から「推論の電力効率」へ移り、関連する電源・冷却・光配線の銘柄選別が次の焦点になる。
0721-M02CNBC7/20★17
The Information報道によれば、グーグルはGeminiのアーキテクチャの一部をシリコンに恒久的に焼き込む新型サーバーチップ「Frozen v2」を開発中で、最新TPU比で電力あたり6〜10倍のトークン処理を見込む。株価は1.5%高で引けた。
▶ 先読み推論コストの決定要因が汎用GPUから「モデル専用シリコン」へ移る兆候。実現すればグーグルの推論原価が競合比で大きく下がり、AIサービスの価格競争と、汎用GPU需要の伸び鈍化という二つの圧力が同時に生じる。
0721-M03東洋経済7/21★16
AI半導体のチップ面積とパッケージ規模の急拡大で従来の材料開発手法が限界に達し、レゾナックが後工程材料の標準化・共同開発体制づくりに動いていると報じられた。
▶ 先読みAI半導体の性能競争のボトルネックが微細化から実装・放熱へ移り、日本勢が強い後工程材料の交渉力が上がる。前工程装置に偏っていた半導体投資の物色が、材料・実装関連へ広がる可能性が高い。
0721-M04CNBC7/20★13
直近の半導体株の急落を受け、UBSがAI設備投資の持続性を前提に押し目買い対象となる銘柄群を選別した。
▶ 先読みAI関連の調整局面で「設備投資の総額は減らないが配分が変わる」という見立てが主流化しつつある。今週から本格化する4〜6月期決算が、この押し目買い論の是非を判定する最初の材料になる。
選外(このテーマの参考記事)
Z地政学・安保4+選外2
0721-M06日経7/21★19
海上自衛隊が19日未明、沖ノ鳥島南西の日本のEEZ内を航行する中ロ艦艇4隻を確認し、うち中国のミサイル駆逐艦1隻が射撃訓練を実施した。EEZ内での中国海軍の射撃確認は異例。
▶ 先読み中東に米軍の資源が張り付く中で、中ロが西太平洋で意図的に圧力の水準を上げている構図。日本の防衛費増額と装備前倒しの議論を再燃させ、防衛関連株と経済安保関連の物色を支える一方、日中関係の悪化はインバウンド・自動車の下振れ要因になる。
0721-M07CNBC7/20★18
トランプ大統領がカナダによる「貿易上の差別」を理由に、特定のカナダ製品へ50%の追加関税を課すと表明した。
▶ 先読みUSMCAの枠組みを事実上迂回する形での関税発動であり、他の同盟国にも同じ手法が及ぶ前例となる。北米サプライチェーンを持つ自動車・素材・農産品のコスト再計算が必要になり、インフレ期待の下支え要因として米金利にも効いてくる。
0721-M08CNBC7/21★15
南シナ海の係争海域で中国側の行動によりフィリピン人船員が負傷し、米政府が中国を強く非難した。
▶ 先読み中東・西太平洋・南シナ海の三正面で緊張が同時進行しており、海上保険料と迂回輸送コストの上昇が海運・エネルギー輸送のコスト構造に効いてくる。日比・日米比の安保協力強化が次の具体化テーマ。
0721-M09CNBC7/20★14
eVTOL開発のアーチャー・アビエーションが防衛テック大手アンドゥリルと共同開発した軍用機を公開し、株価が20%超上昇した。
▶ 先読み民生発の航空モビリティ企業が防衛予算に接続する流れが鮮明になった。防衛調達が従来の重厚長大メーカーから新興テックへ配分シフトする動きは、日本の防衛関連銘柄の選別にも波及する。
選外(このテーマの参考記事)
Zマクロ経済3+選外1
0721-M12CNBC7/20★17
ダイモンCEOが、市場は地政学リスクとインフレ再燃リスクを過小評価しており、現在の価格では株式も米国債も買わないと述べた。
▶ 先読み来週のFOMCを前に、大手金融のトップが債券・株の双方に慎重姿勢を示した意味は重い。利上げ観測が10月に前倒しされつつある中で、長期金利の上振れと株式バリュエーション調整が同時進行するリスクを見ておく必要がある。
0721-M13日経7/21★15
21日の東京市場で日経平均が反発し一時800円超上昇、6万4900円台で推移した。前日の米半導体株上昇と、急落していたキオクシアへの買い戻しが支えた。
▶ 先読み戻り待ちの売りで伸び悩んでおり、自律反発の域を出ていない。今週本格化する半導体・電子部品の4〜6月期決算が市場予想を上回れるかどうかが、8月以降にAI・半導体ラリーが再開するかの分岐点になる。
0721-M14東洋経済7/21★16
中国の6月の自動車輸出が初めて月間100万台を突破し前年同月比75%増となった一方、上期の国内販売は約4割減と内需の落ち込みが鮮明になった。
▶ 先読み内需崩れを輸出で埋める構図は、新興国・欧州市場での価格破壊を意味する。日本・欧州メーカーの海外シェアと収益率に直接効いてくるほか、各国の対中自動車関税・現地生産要求という次の摩擦を確実に呼び込む。
選外(このテーマの参考記事)
Z注目(テーマ外)3
0721-M16東洋経済7/21★14
主力オプジーボの特許切れカウントダウンが始まった小野薬品について、後継パイプラインの陣容と一本足依存からの脱却の可能性を分析した。
▶ 先読み国内製薬は2020年代後半に特許の崖が集中し、アステラスなど他社も同じ局面にある。自社開発が間に合わない企業ほど海外バイオの高値買収に走りやすく、製薬セクターのM&Aと財務悪化リスクが同時に高まる。
0721-M17東洋経済7/21★13
大規模サイバー被害を受けたアサヒが最高益計画を掲げる背景として、値上げ浸透とコスト削減の構造を分析し、株主還元余力への影響と競合キリンの追い上げを指摘した。
▶ 先読みサイバー被害が業績に致命傷を与えないケースが示された一方、復旧投資が還元原資を圧迫する構図が明確になった。同種の被害企業の評価軸が「復旧できるか」から「還元をどれだけ削るか」へ移る。
0721-M18東洋経済7/21★13
防衛・航空エンジン需要で業績が拡大するIHIの財務責任者が、当面は成長投資を優先し2029年度以降に株主還元を拡大する方針を示した。
▶ 先読み防衛関連の重工各社は受注残の厚みが数年先まで見えており、投資フェーズから回収フェーズへの移行時期が株価の次の材料になる。防衛費増額が続く前提なら、還元拡大の時間軸は前倒しされる余地がある。
🎙️ 昼のポッドキャスト原稿(14記事)
リゼ:こんにちは。7月21日火曜日、本日昼の投資ニュースをお届けします。
うるは:こんにちは、リゼさん。本日はうるはがお相手します。早速、今日の注目から教えてください。
リゼ:まず、日本の投資家にとって見過ごせない一報からです。海上自衛隊が19日未明、沖ノ鳥島の南西、日本の排他的経済水域の中を航行していた中国とロシアの艦艇4隻を確認しました。このうち中国のミサイル駆逐艦1隻が、射撃訓練を実施しています。
うるは:日本のEEZの中で、ですか。
リゼ:はい。EEZ内で中国海軍の射撃が確認されるのは異例です。小泉防衛大臣も中ロの軍事連携強化に強い懸念を示しました。読み解きたいのは、米軍の資源が中東に張り付いている、まさにこのタイミングで行われたという点です。相手の余力を測りながら圧力の水準を一段上げてきた、と見るのが自然でしょう。防衛費の増額と装備の前倒しという議論は確実に再燃します。防衛関連と経済安全保障の銘柄には追い風、逆に日中関係の悪化はインバウンドと自動車の下振れ要因として意識しておきたいところです。
うるは:緊張が同時多発している印象ですね。
リゼ:ええ、南シナ海でも中国側の行動でフィリピン人船員が負傷し、米政府が非難しました。中東、西太平洋、南シナ海の三正面です。海上保険料と迂回輸送のコストが積み上がり、海運とエネルギー輸送の採算に効いてきます。
うるは:AI関連では、大きな動きはありましたか。
リゼ:本日の主役はAMDです。初のラックスケールAIシステム「Helios」を正式に投入しました。注目はマイクロソフトが新たに採用を表明したことです。すでにメタ、オープンAI、オラクルが名を連ねており、マイクロソフトはこれを推論の基盤として使うとしています。
うるは:エヌビディアの牙城が崩れる、ということでしょうか。
リゼ:学習ではなく、推論から崩れ始める、という表現が正確だと思います。AMDは2027年からHelios中心にデータセンターAI売上を数百億ドル規模へ引き上げる計画です。同じ日にはアルファベットの報道も出ました。Geminiの構造の一部をシリコンに直接焼き込む新型チップ「Frozen v2」を開発中で、最新のTPUと比べて電力あたり6倍から10倍のトークンを処理できる見込みだといいます。
うるは:どちらも「効率」がキーワードですね。
リゼ:そこが本質です。競争の軸が「どれだけ速いか」から「同じ電力で何倍さばけるか」へ移りました。この流れが続けば汎用GPUの需要の伸びは鈍り、代わりに電源、冷却、光配線、そして実装材料の重要性が上がります。実際、レゾナックはAI半導体の巨大化で従来の材料開発が限界に達したとして、次世代パッケージ技術の標準化に挑んでいます。日本勢が強い後工程材料の交渉力が上がる局面です。
うるは:マクロの方はいかがでしょうか。
リゼ:JPモルガンのダイモンCEOが、市場はリスクを過小評価していると述べ、今の水準では株も米国債も買わないと明言しました。来週にFOMCを控え、利上げ観測が10月に前倒しされつつある中でのこの発言です。長期金利の上振れと株式の調整が同時に来る展開は、頭の片隅に置いておくべきでしょう。
うるは:東京市場はどうでしたか。
リゼ:本日の日経平均は反発し、一時800円を超える上昇となりました。前日の米半導体株高と、急落していたキオクシアへの買い戻しが支えです。ただ前場中ごろには戻り待ちの売りで伸び悩んでおり、自律反発の域を出ていません。今週から本格化する半導体・電子部品の4月から6月期決算が、市場予想を上回れるかどうか。ここが8月以降にラリーが再開するかの分岐点です。
うるは:中国経済についても数字が出ていましたね。
リゼ:これは非常に象徴的でした。中国の6月の自動車輸出が、初めて月間100万台を超え、前年同月比75%増となりました。一方で上期の国内販売は約4割減です。内需の崩れを輸出で埋めている構図で、これは新興国や欧州市場での価格破壊を意味します。日本と欧州のメーカーの海外シェアと収益率に直接効いてきますし、各国の対中自動車関税や現地生産要求という次の摩擦を確実に呼び込みます。
うるは:その関税といえば、アメリカも動いたとか。
リゼ:はい、トランプ大統領がカナダの一部製品に50%の追加関税を課すと表明しました。「貿易上の差別」が理由とされています。USMCAの枠組みを事実上迂回する形での発動で、他の同盟国にも同じ手法が及ぶ前例になり得ます。北米にサプライチェーンを持つ企業はコストの再計算が必要ですし、インフレ期待の下支え要因として米金利にも効いてきます。
うるは:最後に個別企業の話題を伺えますか。
リゼ:二つございます。小野薬品はオプジーボの特許切れを控え、後継の「団体戦」で崖を回避できるかが問われています。国内製薬は特許の崖が集中しており、自社開発が間に合わない企業ほど海外バイオの高値買収に走りやすい。M&Aと財務悪化のリスクが同時に高まる局面です。もう一つはIHIで、財務部長が2029年度以降に株主還元を拡大するフェーズに入ると述べました。防衛関連の重工各社は受注残が数年先まで見えており、投資から回収への移行時期が次の株価材料になります。
うるは:整理していただき、ありがとうございました。
リゼ:本日ご紹介した記事の一覧と詳細は、ダッシュボードにまとめてあります。ぜひご覧ください。それではまた、次の配信でお会いしましょう。リゼでした。
うるは:うるはでした。本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。
コピーしました